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親鸞聖人坐像









福井県によると、
 【座像は高さ86・2センチの寄木造で、耳奥などに彩色の跡が残っているという。右手を上にして数珠を持つ姿勢や衣の端が台座より垂れ下がっていることなどから、鎌倉時代末期から南北朝時代初めに作られたと考えられる。
 首に帽子(もうす)を巻いて眉毛をつり上げた、一般的に描かれる親鸞の相貌や服装と違い、当時の形式に沿った服装をまとい、顔や手の血管、衣の襞などが丁寧に表現され、柔和な表情を浮かべるなど写実的な彫刻としても優れている。
 等身大の中世の親鸞聖人座像は東日本を中心に確認されているが西日本ではまれ。本覚寺は正安2(1300)年に創建。開基の信性は浄土真宗高田派で東国門徒の流れをくんでいた背景から影響を受けたとみられる。また、当時から、同寺が等身大の座像を作るだけの大きな勢力や財力を持っていたこともうかがえる。】