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聖徳太子(孝養像)









本堂右余間の厨子に安置されている。その像容は浅沓に袴をはき、袍衣に袈裟と横被を付ける。両手先は後補であるが、当初は右手に笏、左手に柄香炉を持っていたと考えられる。寄木造で割首とし、目には玉眼を入れる。表面を彩色仕上げとし、衣の全面には盛上げ技法を伴う細やかな文様が表されている。最も注意すべきは袈裟の着用で、鐶付に座金を作るのみならず、三鈷形の鉤を作って、両方を接続しているなど他に類がない。香煙により古色を呈するも、金泥も用いた制作当初の彩色が全体に残っている。秘仏であり33年に一度御開帳法要が厳修される。

(鎌倉後期〜室町初期の制作。愛知・本證寺の像と同一仏師によるものと推定される。)